「出会いがない」を解決する婚活サービス、利用者増加。「婚活パーティ・イベント」を組み合わせると効果的:「リクルート婚活実態調査2016」から

2016/7/6付日経MJ掲載の
リクルートが実施の「婚活実態調査2016」から
「婚活サービス、独身17%利用」と題した記事を紹介します。

同公開調査資料から、グラフ類を引用転載しています。

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 周りに出会いがない男女などに婚活サービスが普及している。

 リクルートマーケティングパートナーズの「婚活実態調査2016」。

 それによると、恋愛や結婚に興味のある独身男女の約17.5%が婚活サービスの
利用経験ありとの結果。

婚活利用経験0707

 2015年に結婚した人の8.3%は、同サービスで結婚相手を見つけているという。

婚活実績割合0707

 複数回答での質問に対して、
結婚した人の16.5%は「結婚相談所」、13.9%が「恋活サイト・アプリ」を活用。

婚活実施状況0707
 実際に結婚に至った割合は結婚相談所利用者で17%、婚活サイト・アプリで15.1%

婚活成果状況0707

 また、恋人のいない独身男女20~40代の25.3%は婚活サービスの利用意向が
「ある」と回答。
 男女別では40代を除き、女性の方が利用意向が強かった。
婚活利用意向0707

 調査は、インターネットを通じて、20~49歳の男女約5万人に実施。
 その中で、3年以内に婚活サービスの利用経験のある人や、利用経験はないが、
恋愛や結婚に意欲的な独身者は約2400人だった。

044

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上記のように新聞記事では簡単に処理して終わっていますが、実際公開された資料
は、しっかりグラフ化され、詳しい内容になっています。

その元の資料の最後に、<婚活サービス利用のきっかけ>という質問に対する以下
の回答結果が示されていました。
そこで強調されているのは、「新しい出会いが難しい状況」という要因をきっかけ
としていること。

婚活利用きっかけ 0707

婚活サービス事業会社が手掛けた調査ですから、基本的には、自社の事業・営業に
プラスになるようにまとめ上げるのは初めから考えていたシナリオ。

最後に、我田引水で、この調査を企画・分析したリクルートブライダル総研の研究
員が、その結果からの総括として、以下のようにまとめたものも公開されていました。

これを、今回のブログのまとめとして、そのまま活用することにします。

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【リクルートブライダル総研研究員落合歩氏の考察】

(1)今後、婚活サービスを通じて結婚する人が増えていく可能性が大きい。
今回の調査から婚活サービスに大きな波が起きていることがわかる。
①近年、婚活サービス事業者の数と質が充実。社会的認知の上昇に伴い、利用者が増えて
きている。
②利用者が増えると選択の幅も広がることで自分にフィットする相手が見つかりやすくな
り、マッチング数も増える。つまり利用者における婚姻率が上がる。
③利用者における婚姻率が高まれば、結婚したい未利用者の利用意向が高まり、さらに利
用者が増える。
この①~③の循環がぐるぐる回り始めている。
婚活サービスは利用者が増えれば増えるほどフィットする相手と出会いやすくなり成果
が出るため、一定数を超えると価値が受容され、一気に拡大フェーズになっていく、そん
なサービスだ。
上記のようにここ2年ほどで好循環に入っており、あと数年で一気に拡大し、結婚相手を
見つける主要な手段になっていく可能性は高い。

(2)婚活サービスの拡大は、単に結婚相手との出会い方を変えるのではなく、
   生涯未婚の可能性がある人を既婚者に変える
婚活サービスが拡大すると何が起こるのか、整理してみた。
◆結婚意向がある20代~40代未婚者のうち、結婚できると思っている人は約65%
残りの約35%は結婚に不安を抱えており、特に約14%はできないと思っている
(単純計算で推計約160万人)。
◆その中の約59%が結婚できないと思う理由に「出会いがない」を挙げている
(推計約94万人)。
婚活サービスはこの「出会いがない」を解決するサービス
つまり、自らの意志に反して生涯未婚の可能性がある層約94万人を「既婚者」に変える
ポテンシャルを持つ。
 単に結婚相手との出会い方を変えるのではなく、生涯未婚の最大のソリューションだ。
 昔であったら血縁、地縁、職縁など多様な縁を通じて誰かが背中を押してくれた。
 しかし、現在は自ら出会いを創出しなければならなくなったことでよりその価値が高
まったと言える。
◆現在、少子化の要因として非婚化も社会課題と言われているが、婚活サービスの定着、
拡大が社会課題解決の突破口になり得、婚活サービスを社会的に活用することも検討すべ
きである。

(3)婚活サービス活用のカギは、リアルのコミュニケーション。
   婚活サービスも戦略的に活用を
婚活サービスを併用した方が恋人ができる割合が高いことは分かった。
 ではどのような組み合わせが良いのか。
 これについては、あくまで一部調査対象数が少ないため参考分析としてみるが、
婚活4サービスの組み合わせの中で恋人ができた割合が高い順にみると、
①「婚活サイト、恋活サイト、婚活パーティ・イベント」
②「結婚相談所、恋活サイト、婚活パーティ・イベント」
③「結婚相談所、婚活サイト、婚活パーティ・イベント」となった。
つまり「婚活パーティ・イベント」を含めると効果的なことが分かる。
4サービスの中で唯一、1度に多くの人とコミュニケーションできる「パーティ・イベン
ト」は出会いの提供だけでなく、「コミュニケーションスキルの上昇」や「自信の醸成」
にもつながり、他サービスの補完的な役割を担うのかもしれない
実際に、恋愛や結婚できない理由に「コミュニケーションの課題」や「自信の無さ」を
挙げる人も多く、課題解決の場として「パーティ・イベント」がカギになっていそうだ。
今後、婚活サービスも戦略的に活用する時代がきている。

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