渋谷区、代々木公園に認定こども園:特区で都立公園内に待機児童対策保育園設置の動き広がる
2016/7/5 付日経の【子育て 2016】欄。
「渋谷区、代々木公園にこども園
特区活用し来秋、待機児童解消へ定員拡大」
と題したレポートを、同日掲載の関連記事と合わせて紹介します。
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東京都渋谷区は国家戦略特区の規制緩和を活用し、区内の都立代々木公園に認定こども園
を建設する。
今秋にも特区の東京圏区域会議に提案し、来年10月の開園を目指す。
同公園内に認可保育所も1カ所開設する方向で検討している。
今年4月の待機児童数が315人と昨年より25%増えたのを受け、特区を利用して保育定員
の拡大を急ぐ。
代々木公園は面積が54万平方メートルと、都内の公園で有数の広さを誇る。
こども園の建設予定地はJR原宿駅から徒歩約5分の「原宿門」近く。
現在倉庫などがある場所を都が貸し出す。面積は約870平方メートルを予定。
認定こども園は保育所と幼稚園の機能を併せ持つ施設。
代々木公園内に新設する園では、保育所と同じように長時間預かる子どもの定員は122人を予定している。
海外の幼児教育を参考にした教育プログラムを実践する場となる見通しだ。
長谷部健区長は「区として(待機児童問題に)アクションを起こさないといけない。
一刻も早くオープンさせたい」と強調。
「保育所でもイタリアなど海外の最先端の教育メソッドを取り入れていきたい」と話す。
渋谷区は待機児童解消のため、来年度から3年間で保育定員を約1400人拡大する方針。
代々木公園では認定こども園とは別に、認可保育所の建設も検討している。
待機児童が多い初台や上原エリアから通いやすい、公園の西側に建設したい意向だ。
公園は都市公園法によって開発が制限されているが、昨年7月の国家戦略特区法改正で、特区では公園内に保育所を建設できるようになった。
これを受けて都は都立公園条例を改正済み。
各区市町村は国や都などで構成する特区の区域会議に保育所建設を提案し、事業認定を受ければ、保育所を整備できる。
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<認定こども園とは?>
幼稚園と保育所の機能を併せ持ち、未就学児への教育と保育を一体的に実施する施設。
国が2006年に制度を導入した。
保護者の就労状況が変わっても、子どもが同じ施設に通い続けられるなどの利点がある。
内閣府によると、16年4月1日時点で全国に約4000カ所、東京都内には109カ所ある。
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<公園内、都内で計画続々 用地取得・住民理解に壁低く>
東京都内では昨年、荒川、世田谷、品川の3区が国家戦略特区を活用し、都立汐入公園(荒川区)や都立祖師谷公園(世田谷区)など都立や区立の公園4カ所で保育所開設の認定を受けた。
いずれも来年4月に開園する予定だ。
⇒ 待機児童解消へ、東京都区内の公園内に保育所:国家戦略特区で規制緩和
都内の自治体が特区を活用して公園内に保育所をつくる背景には、待機児童数が高止まりする中、保育所の増設が難しくなっている事情がある。
認可保育所は1歳児1人当たり3.3平方メートルなどの最低基準が決められている。
保育所を新設するには一定規模の広さが必要だが、東京都心部は地価の高騰などで用地の確保が難しい。
さらに、最近は周辺住民の反対で保育所の開園が延期されるケースも相次いでいる。
都立公園などの公園に保育所を活用する場合、新たに用地を取得する必要がないうえ、住宅地と隣接していないため住民とのトラブルが起きにくい利点がある。
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他の経済特区を利用しての都営公園への認可保育所設置例については
◆待機児童解消へ、東京都区内の公園内に保育所:国家戦略特区で規制緩和 (2015/11/19)
で紹介しました。
恵まれていなかったのが、最高の環境に、認可こども園、認可保育所ができて、利用できるようになる。
両方開設するなら、合体した、保育園義務教育化構想の実験園にまで、特(区)化するのも良いのではないかと・・・。
もう一つ、以前から提案しているのですが、全部の公立小学校に、付属保育園(または幼稚園)を付設してはどうでしょうか?
もちろんスペース的に論外の小学校も多いかとは思いますが、児童数の増減傾向・実態なども合わせて検討し、可能・不可能を調べて公表してもらえればと思うのです。
これも、地域住民の反対もないでしょうから・・・。
どんなもんでしょう?
これも、保育園義務教育化の事前準備・実験にもできます。
しかし、もしこうして都心部の育児・教育環境が整備・拡充されれば、ますます東京集中が強まり、逆効果?になってしまうことに・・・。
良いことはどんどんやるべきと思うのですが、難しい問題ですね・・・。