シングルマザーを積極的に採用し、戦力化を進める企業事例:日経<ひとり親一歩踏み出す>から(1)

2016/7/25と7/26の2日間、日経夕刊で
【ひとり親一歩踏み出す】というレポートが掲載されました。
1回目は「正社員 つかんだ自信 貴重な戦力 求人増える」
と題して、シングルマザーの雇用を積極的に進める以下の企業を報告しています。

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 子どもを抱えたひとり親は、貴重な戦力。
 シングルマザーは、子どもに何かあったら休んでしまう。だからお断り、といった誤
解が日本の企業にはある。

 このため正社員になれずパートやアルバイトで生活を維持するのが多くのひとり親の実
像だ。
 母親のなかには暴力が原因で離婚した夫からの二次被害を恐れ息を潜めて暮らす人も。
 働きたくても働けず経済的に苦境に陥るケースも少なくない。
 そうした事情を理解し、ひとり親を雇用。
 雇用の場が限られパート・アルバイトで働くことが多かったひとり親を正社員として
採用する事業所が増えている。
 人手不足が背景にあるが、採用された親も仕事に手応えを感じキャリアを積み上げる。
 人口減に悩む地方は、社会へ踏みだそうとする親を活用。
ひとり親は就労のハンディ
ではなくなりつつある。

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<医療機器開発のリバー・ゼメックス>
内視鏡用のポリープ切除装置など医療機器を開発するリバー・ゼメックス(岡谷市)。
 58人の正社員のうち女性は51人。
さらに女性の4割は30~40歳代のシングルマザー。

 技術職の女性Aさん(56歳)は38歳の時、離婚。
 5年後の2003年、小学生から高校生までの子ども3人を育てながら生きていくには、
正社員として働くしかないと決断。
 ハローワークでリバー・ゼメックスの求人を見つけ入社した。
 仕事は装置の穴開けから、はんだ付け、工程検査まで経験のないことばかり。
 それでも正社員として働き続けるため「必死に仕事を覚えていった」。

 周囲はシングルマザーをはじめ育児経験のある女性社員が多く、「子どもが急病になっ
たら、『病院に早く行きなさい。あとは私たちが穴埋めするから』」と温かく迎えられた。
 会社自体が女性の就労を積極的に支援していることもあり、Aさんは正社員として経験
を重ね、能力を発揮できることに手応えを感じるようになった。
 西村幸会長はシングルマザーの雇用を今後も進める。「責任感が強く、長く働いてくれ
る」からだ。

<社会福祉法人合掌苑>
東京都町田市と横浜市で介護施設を展開する社会福祉法人合掌苑
 このほど、シングルマザー専用の社員寮型シェアハウスを開設した。
 木造2階建てで入居世帯数は5組。5つの個室は約20平方メートルで月額家賃3万5千
円だ。ハローワークなどを通じて募集している。

 「介護は人手不足。働く意欲のあるお母さんが欲しい。シングルマザーは宝の山。離婚
で心に傷を負った人の働き方にも配慮する」と森一成理事長。
 正職員に自信がなかったら、非正規も認める。
 日勤と夜勤を分離するなど、仕事と家庭の両立を進めている
 「シングルマザーは、自分たちは夜勤を伴うような働き方は無理と思いがち。その意識を変えたい」という。

<産業廃棄物処理会社、丸忠建工>
ひとり親は営業職でも求められている。
 産業廃棄物処理会社、丸忠建工(横浜市)に昨年10月、正社員として入社した藤村千秋
さん(52歳)は、首都圏の建設会社や工務店に約束なしで訪れ廃材引き取りの商談に汗を
流す。
 高校1年生の長男の今後の進学でお金がかかる。
 非正規職員として病院の受付をしていたが収入アップへ正社員の道を選んだ。

 同社は藤村さんを、横浜市の母子家庭支援拠点ひとり親サポートよこはまを通じて
雇用。
 前職の病院受付業務で培った調整能力が、現在の営業職に生かされている。
 同社は「男性中心の職場環境を変えたいので、あと5人雇用したい」という。
 藤村さんには65歳の定年まで働いてもらうつもりで、後に続く女性にとってのロールモ
デルを期待する。

建設廃材の引き取りで打ち合わせをする丸忠建工の藤村千秋さん(左)(横浜市)
※建設廃材の引き取りで打ち合わせ
(記事中の画像を転載させて頂きました。)

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 日本シングルマザー支援協会代表理事の江成道子さんのもとには、業種を問わず人事担
当者から相談が相次ぐ。
 協会はこれまでに約100社の求人を出した。
「企業の間で、ひとり親を多様な人材の一つと位置づけ始めたのでは」という。
「自立には責任ある仕事に就くのが不可欠。殻を破って外に出よう」と、江成さんはひと
り親に呼びかける。

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とても素晴らしいレポートと思います。
ただ、ハローワークを通じて、シングルマザーの募集を行う、というのでなく、彼女た
ちを支援する団体・組織を通じての紹介、というケースがまだまだ多いことを推察させる
ような記事でもあります。

その点が、まだまだだな、という感じです。

これで、大手企業が積極的に中途採用で、即戦力候補として、専門的なスキルをもつ
シングルマザーを募集する動きや採用した事例などが、マスコミなどで取り上げられる
と一層機運が高まるのですが・・・。

いずれにしても、不安な生活から逃れるために、正社員・正規職員としての安定を望む
ことは当然です。
それゆえに、責任感も忍耐力も持つ方が多いでしょうから、あとは、これまでの経験や
能力・適性が企業が求めるものと一致するかどうか・・・。

あるいは、記事にあるように、未経験であっても、自社で一から育成する方針をしっか
り持っている企業か・・・。

特に中小企業に対しては、政府は、シングルマザーの雇用に対して補助金を支給する
政策を強く打ち出すべきではないかと思います。
こういうケースにこそ、補助金を出すのです。

また国や自治体の政策の中に、記事にあるようなひとり親世帯のためのシェアハウスや
住宅を提供する制度の整備拡充を求めたいですね。

マスコミももっとこうした情報を収集し、喧伝してもらいたいものです。

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