育休取得率、イクメン増加傾向と女性の利用期間実態:「平成27年度雇用均等基本調査」から

2016/8/6付日経【男・女 ギャップを斬る】
レギュラー執筆者・労働政策研究・研修機構主任研究員池田心豪の
「男性の育休取得率最高 道半ば 年休で育児も」
という一文を紹介します。

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 昨年2015年度の育児休業取得率が発表された。
 男性の育児休業取得率は過去最高の2.65%、女性の取得率は2年ぶりに低下して81.5%となった。

育休取得率

 日本人は育休が好きである。
 政府は育休取得率の数値目標を掲げ、企業は法定を上回る育休制度の充実ぶりを
競ってきた。
職を失うことなく子育てに専念できるという制度の性格から、育児期の女性の就
に肯定的な人だけでなく、母親は家庭で子育てに専念すべきという人にも育休は
受け
がよい。
 少し前に「抱っこし放題」という安倍総理の発言が話題になり、ちょっとした論
になったが、この制度の性格をよく表した騒動であった。

 最近は男性の育休が話題になっている。
 2010年施行の改正育児・介護休業法から配偶者が無業でも、つまり専業主婦の夫
育休を取得できるようになったことに合わせて、厚生労働省がイクメンプロジェ
クト
を仕掛けてブームになった。
 依然低水準とはいえ過去最高を更新し続ける男性の育休取得率の上昇傾向は、こ
が一過的なブームに終わらず社会に浸透しつつあることを表している

 育児・介護休業法の趣旨に照らせば、育休は子を養育する労働者の就業を支援す
制度である。
 産休とつなげて育休を取ることが一般的な女性に関していえば産後の復職支援の
味合いが強い。
 法定の育休は1歳まで子育てに専念できるというより、1歳までの期間で復職時
を選べる制度と考えた方が法の趣旨にかなっている
 実態として保育所などの事情により、産休明けの復職は難しいため育休は必要な
度であるが、育休を取らずに復職できるならそれでもよい

 男性の場合は妻の就業支援の意味合いが強い
 だが、その場合も育休は必須というわけでもない。
 男性の育休取得日数は56.9%が5日未満で74.7%が2週間未満に収まる。
 年休でも対応可能な日数である。
 実際、育休は取らず別の休暇で仕事を休んでいる父親は少なくない。
 筆者にも妻の出産に備えて年休を残しておいた思い出がある。

 表面的な制度利用の有無ではなく、実質的に仕事と子育てを両立できているかを
問う視点で、育休の取得状況を問題にすべきだといえる

育休後復帰期間

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もっとお母さんたちが育休期間を取っていると思っていたのですが、3カ月~10ヶ月
未満の合計が30.7%。
早くから職場復帰しているんですね。

私は、現役世代初の年金制度、子どもが1歳を迎えるまで1年間、母親が年金を受
けとることができる「養育年金(仮称)」制度の導入を提案しているのですが。
この制度で、1年間は乳児の養育に安心して当たることができるようにするための
ものです。

もちろんその期間中に復帰・復職、新規就労などの準備をしてもらうのもよい。
またその間、夫が育休を取得してもよい。

そのことで、結果的に、0歳児保育のニーズが低下して、その分保育士の負担が減
ることになりますが、当然それが目的ではありません。
加えて、子どもを産んだばかりの親の不安や悩みに応え、子育てを支援する公的な
仕組み・対策を講じておくことが、子育て資源に恵まれない保護者のためにも必要で
す。

女性から批判を浴びた、文中にある「(3年間)抱っこし放題」。
ところが、保育士不足に対応するために、介護休業期間を3年まで延長して、とい
う亡霊みたいな要求が、最近業界から復活してきているということです。
とんでもない話です。
さすがに、労働力不足から(一応、経済成長からも)女性活躍推進を旗印にする政
府もこれに応えることはないとは思いますが、無茶なことを考える輩がいるものです。

夫が子育てのために年休を利用する。
これはもっと広がってもいいのでは、と思います。
夫の育休取得。
専業主婦である妻に子育てのお休み日をあげて、自分が担当する。
これはこれで、良いのではとは思いますが・・・。

今回の育休取得率データは、厚労省の平成27年度雇用均等基本調査に基づく
ものです。
この中には、育休後の職場復帰率も調べられており、以下のようになっていました。

育休後復職者

また、別のテーマとして、女性管理職についてのデータも含まれています。
機会がありましたら、これについては、別のブログサイト<人事人材.com>で紹介
できればと考えています。

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