前期高齢者・後期高齢者・老齢者区分化で「敬老の日」の変革を:そして「敬幼の日」創設も?
「敬老の日」。
別のブログサイト<介護相談.net>で、介護社会の急速かつ厳しい進展と合わせ
て、超高齢社会の高齢者の生活の多様化について考えてみました。
◆敬老の日が警老の日になる介護社会の進行と高齢者生活の多様化
要介護高齢者について考えただけでも、介護度と必要とする介護内容の違い、
在宅介護のあり方、施設介護でのあり方、そして医療現場でのそれら、すべてに
個人差があり、多様性があります。
そして敬老の日ですから、高齢者全体の暮らしの違いについて触れたわけです。
世代を考えるこの<世代通信.com>としては、高齢者の中の世代を考えてみた
いと思います。
その前に、高齢者の健康と医療について、2016/9/18付日経の
「高齢者の「薬漬け」対策急ぐ 体力低下、副作用出やすく 」と題したレポート
に関連して掲載されていた以下の記事を紹介します。
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高齢患者の服薬、3割が「10種以上」
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厚生労働省が2014年12月の診療データを集計したところ、75歳以上の患者で
10~14種類の薬を服用していたのは20.2%で、15種類以上は7.1%。
10種以上が3割近くを占めている。同省の研究報告では、多剤併用による副作用
の症状としては意識障害や低血糖、肝機能障害、ふらつき・転倒などが多い。
薬の種類が多いと副作用は増えがちだ。
東京大学病院老年病科の入院患者への調査では、薬剤の投与が1~3種類の患者
のうち副作用が確認されたのは6.5%だったのに対し、6種類以上では1割強だった。
ただ患者が自己判断で服薬をやめるのは禁物だ。同病院の秋下雅弘教授は「必要
な薬までやめてしまい、病状が悪化する懸念がある」と指摘。
医師や薬剤師など専門家に相談するよう呼び掛けている。
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先に述べた今日の<介護相談.net>での高齢者の生活の多様化・多様性の中には
要介護状態とは別の、健康状態の違い・多様性に触れていなかったのを思い出した
んです。
上の記事で紹介されたのは、75歳以上の後期高齢者の医療保険利用者で薬の処方
を受けている人たち。
時々行く処方薬局で、山盛りになった薬を袋に入れて帰っていく高齢者を必ずと
言っていいほど見かけます。
60歳代になってから虫垂炎で手術入院し、先日は右脚大腿骨頸部骨折で手術入院。
どちらにおいても、「痛みがひどかったら、言ってくれれば痛み止めの薬を出し
ます。」「眠れなかったら、眠剤を出します」と、当然のように言ってくれました。
前期高齢者でくみあい健保加入の私の負担率は3割。
それでも薬代は安いですから、簡単に処方してもらいがちですが、極力薬は飲ま
ない、求めないのが私の考え。
我慢できるものは、できるだけ我慢すべきと思っています。
老いとともに、様々な症状に対する痛みや不快感への耐性が弱くなるのは分から
ないでもないですが、薬代の額に対する感覚は、同時に、どんどん麻痺していくの
でしょう。
処方箋と薬を出す方は、出せば出すほど利益が上がるわけですから、優しさの裏
返しで、老齢者に薬を薦めます。
こちらの話題を軸にするつもりではなかったのですが、ついつい長くなってしま
いました。
要は、これだけ高齢者が増えたことで、「敬老」すべき高齢者が、現役世代を大
きく上回る数になると、「敬老」する気持ちがなくなっても当然のこと。
医療や介護保険給付で消費される保険料が、現役世代の支出と赤字国債により
賄われる実態を見れば、やはり「敬老」対象と見ることもバランス、公平性を欠く
ように思って当然ではないかということ。
敬老にも副作用が出てきているのかもしれない・・・。
そうした側面から、先のブログでは、「警老の日」では、と申し上げたわけです。
もう一つ。
「敬老」に付く「老」。
個人さと格差を含む多様な高齢者の超高齢社会で生活を考えるとき、65歳以上の
前期高齢者、75歳以上を後期高齢者という2分方式ではなく、それに85歳以上と
いう区分を設け、その世代を老齢高齢者=老齢者と3区分化して捉えるべきではな
いか。
もし「敬老の日」を残すなら、85歳以上の「老齢世代」のみをその対象とすれば
よいのでは、と感じたのです。
むしろ、少子高齢社会では、0歳児から3歳児までの乳幼児世代の方を、稀少な世
代として、その生と存在を社会が祝福すべきではないか・・・。
「敬幼の日」を「子どもの日」とは別に新たな祝日にし、少子化社会への警鐘を
鳴らすとともに、乳幼児たちとそれを養育する親たちを祝福し、これから新しく生
を受ける子どもが社会から祝福される時代に移行していく・・・。
「子どもの日」は、乳幼児の養育期を経て、教育を受ける時期に入った4歳児か
ら小学校6年生までの子どもの成長を願い、祝う日とする。
という改革、いかがでしょうか・・・。