小学校低学年・高学年の2区分での学童保育・待機児童対策と社会システム作りを

小学生児童も保育の対象と見るのかな?
と、「学童保育」という文字、そのテーマでの記事を見るたびに、何か違和感を
感じているのですが、私だけでしょうか?

2016/9/25付日経の「学童保育」ビジネスのレポートを以下に紹介します。

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 学童保育、企業が増設 M&S、ペース倍増 待機児童受け入れ
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 放課後の小学生を預かる民間の学童保育大手が新施設の開設を広げている。

 未就学児を預かる保育所の不足が女性の社会進出を阻む。
一方、働く女性の増加に伴い首都圏を中心に学童の待機児童数は増えている。

 厚生労働省によると学童に入れない待機児童は2011年から増え続けており、
15年は14年比1.7倍の約1万7000人にのぼった。

 全国に2万2000カ所ある学童の拠点は公立や地域社会が運営するケースが
大半だが民間の動きが活発になってきた。
 公立や地域社会による運営に比べ、機動的に拠点を設けられる民間の利点を
生かして新設ペースを引き上げ、高まる需要を取り込む。

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<M&Sコミュニケーションパートナーズ>
同社は今年度に新設ペースを倍増させる。

 東京23区内で民間学童「リックキッズ」を15カ所で運営し、14、15年度はと
もに3カ所ずつ開設。ペースを倍増させる
今年度
には、6~7カ所を新設する。
 江東区などマンションの新設で新住民の増加が見込まれる地域を中心に拠点
を増やし、既存の施設がいっぱいになりつつあり、地域を広げていく。

<東急グループ>
同グループも新設数を増やす。
 「キッズベースキャンプ」を17年度に川崎市で直営を1カ所設けるほか、自
治体が運営する学童4カ所以上の受託を見込む。

 東京都と神奈川県を中心に直営で約20施設、運営受託で約10施設を運営し
おり、16年度の計4カ所に続く高水準の開設を続ける。

<拓人こども未来>
教室内で英語のみを使う学童保育「Kids Duo」を展開する同社は、
首都圏と関西中心に85拠点前後を持つ。
 昨年度に17カ所を開設しており、今年度も「同水準かそれ以上」の新設を見込
んでいる。

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厚生労働省によると学童の拠点数は11年から15年の間に1割増えたが、
登録児
童数は2割増え、100万人を超えた。

 15年4月から学童保育の対象が「おおむね10歳未満」から「小学生」全体に拡
大しており、需要は今後も高まりそうだ。

 学童保育は認可保育所などに比べて人材や施設面の基準が緩い面もあり、民間
の動きは活発だ。

 イオンは昨年春、東京都と千葉県で運営する2つのショッピングセンター
学童保育所を開設した。

 学習塾やフィットネスクラブが参入する動きも相次いでいる。

民間企業の施設が増える(グローバルキッズが運営する学童保育施設)
※グローバルキッズにて
記事中の画像をそのまま転載させて頂きました。

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「学童保育」とは

共働きやひとり親家庭で日中、家に保護者がいない子どもを放課後や
夏休みなどに預かる仕組み。
 小学校で実施する放課後の学童保育が全体の大半を占める。
 厚生労働省によると2015年5月時点で、全国2万2600カ所のうち、
株式会社が運営する保育所は2.8%にとどまる。
 多くの自治体では月数千円程度で使えるが、民間では英語レッスンな
どのサービスが加わり、3万~4万円程度かかる例も少なくない。

es6
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塾とスポーツクラブと遊びサークルとのハイブリッド、と言えるでし
ょうか。

学校から帰れば、田んぼでの野球や、小川での笹船遊びなどに興じた
私たちの子ども時代には考えられなかったコト。
そろばん塾や書道の塾などに通っていた小学生も多かったですが、私
はまったく塾に通った経験がありません。

時代は大きく変わって、学童保育の待機組が多く存在する時代。
結局、民間企業が経営する学童保育事業は、教育格差の発生と拡大を
助長することになるのは、一面、間違いないですね。

でも、本来、児童個人個人が、自我を確立する時期にあって、自分が
持つ興味関心事を見つけ出し、そのため時間を、能動的に使う判断と行
動を起こすきっかけとなる時期でもあるわけです。

それが、学童保育の場・機会になることもあるでしょうが、自分ひと
りでいる時間や、限られた友達と一緒にいる時間が、その機会となるこ
ともあるはず。

自宅に一人で居ること、図書館に一人でいることは、小学校低学年で
は難しいかもしれませんが、4年生以降ならば、そういう成長期行動を
取ることができるようになってほしいと思うのですが・・・。

少なくとも学童保育という名で社会システムを考えるのは、1年生か
ら3年生くらいまでとし、小学校教育の範疇で、教育政策・教育システ
ム化するのが望ましいと考えます。
3年生までを、17時まで義務教育化するくらいの改革を考えてもいい
のでは、と思います。
拡充枠では、民間から特別教員を招へいし、社会性を育むカリキュラ
ムを充実させます。
それで、3年生以下の低学年は、学童保育や待機児童概念は不要になる。
特に、この新たな時間枠の中で、いじめの撲滅を必須課題とする。

4年生から6年生までは、15時以降は放課後活動として、自由度を持たせ、
選択可能とする。
そこには、民間企業の、上述した保育ではないハイブリッド型のフリー
クラブ的な事業の利用も選択肢として存在する。
本格的な塾やスポーツクラブ、NPO法人などが運営する放課後クラブ
なども選択肢・・・。

なんでも民間企業がビジネス化する。
どうも、おかしな方向に進むリスクが広がっていくばかり・・・。

先日別のブログサイト<大野晴夫.com>で、
国際的に低い教育への公的支出のGDP比率:改善策のベストは保育園義務教育化・無償化
というテーマで、教育への公的支出の低さを取り上げました。

保育園の義務教育化と共に、小学校低学年の義務教育時間枠の拡大で
学童保育問題・待機児童問題の解消を、社会的に図ってもらいたいと、
結構、マジに思ったのであります・・・。

es9

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