都の保育所政策、小池色は未だ不鮮明

「保育園落ちた!」ブログから発した、待機児童問題の大々的な社会問題化。
マスコミでの露出度は、小池東京都知事による緊急対策で一段落ついたかのように
感じられたわけですが、来春の入所・入園時期に向けての、またまた厳しい現実が、
取り上げられる時期になってきました。

待機児童問題が最も注目を集める課題の一つ、東京都。
日経の東京・首都圏経済版で最近取り上げられているこの問題について、数回紹介
したいと思います。
初めに、11月8日~11日に取り上げられた「保育の課題」3回シリーズから
1回目:待機児童ゼロが実現できないのは、誰の責任?:日経「保育の課題」(上)から
2回目:保育所開設中止に追い込む周辺住民の反対。その責任は行政に:日経「保育の課題」(中)から
3回目:問われる保育事業者の質、保育サービスの質。保育所は公営を原則に:日経「保育の課題」(下)から
と取り上げ。

今回は、2016/11/10付の、小池都政における保育政策に関する以下の報道です。

------------------------------------------
 都、保育所整備補助費7割増 来年度予算要求 待機児童ゼロへ小池色じわり
------------------------------------------

 東京都は11月9日、2017年度予算の各部局からの要求状況を公表した。
 保育所を整備する市区町村向けの補助費が16年度当初予算比で7割増となるなど、
小池百合子知事が重点施策に掲げる事業が並んだが、中期計画を策定中のため“小池色”
が全面的に出ているとは言えない。
 都は知事査定などを経て、来年1月に予算案をまとめる。

 一般会計の要求総額は0.9%増の7兆767億円。
 特別会計などを含めた合計は2.8%減の13兆2729億円。

 目立ったのが知事が「喫緊の課題」と掲げる待機児童対策で、少子社会対策の要求額
は16%増。
 市区町村向けの保育所の整備補助は67%増の150億円で、保育士の給与増のキャリア
アップ補助の拡充も求めた。

 
※記事中の資料を転載しました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^

保育所関連以外の政策について、上の表にある事項についても記事では当然触れて
いますが、ここでは省略しました。

------------------------------------

まあ概算要求レベルのことですし、待機児童対策として最も即効性があるのが保育所
増設ですから、特に目新しいことでもありませんし、これで小池色がどうこうという
レベルでも時期でもないでしょう。

現実的には、上で紹介した「保育の問題」が金では済まないことを物語っています。
こうした課題をどう克服するかにおいて、小池色が今後どのように打ち出されるかに
注目すべきでしょう。

その現実の課題への取り組み事例として、各区の動向を、同欄の最近の記事からピッ
クアップしました。

ひとつは、同じ2016/11/10付での杉並区の取り組みです。

-------------------------------
 保育士採用者に商品券5万円分 杉並区、人材確保へ
-------------------------------

 東京都杉並区の田中良区長は11月9日、2017年4月に区内の私立保育所に採用された
保育士に、5万円分の商品券を支給すると発表した。
 区内の商店などで利用できる。
待機児童の解消に向けた保育士の処遇改善の一環で、
新卒や保育士資格を持つ
潜在保育士」の掘り起こしを進める。

 私立保育所のほか、小規模保育などにたずさわる保育士も対象とする。
 17年4月以前の3年間に、保育士として勤務していない人に限る
 杉並区は16年度に約2200人の保育定員を増やす計画だが、保育士の人材の確保も
大きな課題となっている。

 都内では保育士の待遇改善策として、世田谷区が10月から区内の私立保育所に勤務
する保育士の給料を月1万円上乗せしている。

17

----------------------------------

どうなんでしょう、こういう一過性のバラまき的政策。
効果があるのでしょうか・・・。
私立とか小規模保育とかに限定する意味も、どうなのか・・・。
よくわかりません。

保育士の待遇改善策としての、給料の上乗せ。
これは、何度も主張していますが、公務手当(公務給)という区分で支給すべき
と思います。
私立だけに給付というのは、私立の賃金レベルが区立や公立よりも低いからなの
でしょうか。
ならば、保育所は、すべて区立・都立化することが望ましい。
そこで働く保育士は公務員。

もう一つの記事は、少し前の2016/11/1付の、目黒区の国有地等への保育所建設に
関する以下の記事です。

----------------------------------
 目黒区、国有地に保育所 19年春に60人規模、事業者を公募
----------------------------------

 東京都目黒区の青木英二区長は31日の記者会見で、区内にある未利用の国有地を使
った保育所を2019年4月にも開設できるとの見通しを示した。
 区立油面小学校正門横の約260平方メートルの国有地について、国が協力の意向を
示したという。
 実現すれば同区としては初めて国有地を活用した保育所の開設となる。

 すでに周辺の住民への説明を始めている。
 定員は60人程度を想定。国が用地を貸す運営事業者の公募手続きに今後入る。
 目黒郵便局近くの旧東京法務局目黒出張所跡地の活用についても、20年4月の保育
所開設に向けて国に要望中だ。

 区内の待機児童数は今年4月現在で299人。
 区は19年4月にゼロにする目標を掲げ、それまでに保育所定員(今年4月で約4520人)
を1460人程度増やす計画。
 20年4月にはさらに330人分上乗せする。
 国有地活用はその一環。
 青木区長は会見で「待機児童解消は最も重要な課題のひとつ」と強調した。

 同区は区役所が入る総合庁舎の未舗装の駐車場(定員60人)、上目黒小学校校舎
(定員70人)といった区有地・施設でも、来年4月に保育所を開設する予定
 区立第四中学校跡地には、特別養護老人ホームなどと合わせて保育所もつくる
20年4月までの一連の対策に67億円を投じる。

25

----------------------------------------

単にお金を出すだけでなく、知恵を絞って適地を開拓・開発する。
統合廃止で使用しなくなった学校跡地への、介護・保育など共同・統合施設。
これは、数が限られているでしょうが、すべて実現する方向で取り組むべき
でしょう。

私が従来から提起しているのが、全小学校に付属保育園を付設すること。
もちろん物理的・空間的に可能な学校に限定されますが、是非可能かどうか
の判断も含め、調査し、結果を公開して欲しいですね。

当然、所管が文科省と厚労省と異なりますが、首相が一声発すれば対応可能
なことです。
だれも反対しないでしょう。

マスコミも、それらの可能性を持った施設や遊休土地・物件などを調査して
公開するなどの攻めの取材をしてほしいですね。
ただ、自治体・行政から提供されるタダの情報を記事にするだけでなく・・・。

 

20

関連記事一覧