増える「超高齢出産」:卵子提供・卵子売買、遺伝子。残る、微妙な問題

2017/2/19付日経【かれんとスコープ】欄。
たま~に日経でも取り上げる「不妊治療」問題。
今回は、こういうレポートでした。

-----------------------------
 増える「超高齢出産」 卵子提供 ルール未整備
-----------------------------

40代後半や50代になり「超高齢出産」をする女性が増えている。
 若い女性から卵子をもらう場合が多い。
 国内のルールづくりが進まぬ水面下で、現実が先行する。

^^^^^^^^^^^^^^^

 「閉経後に出産する人もたくさんいる。初めて診たときはびっくりしたが、
もう慣れた」。都内の産婦人科医はこう明かす。
一般的に高齢になるほど妊娠は難しくなる。閉経すれば基本的には妊娠しない。
閉経するような年齢で妊娠が可能な理由の一つに、人の卵子を自分の夫などの
精子と受精させて体に戻す「卵子提供」という仕組みがある。

49歳で出産

 ある女性は43歳で結婚、不妊治療を経て卵子提供で49歳で出産した。
「夫にそっくりで宝物。100%我が子の意識」だという。
別の女性は41歳で1人目を自然妊娠で出産、46歳の時に2人目を卵子提供で出産。
「1人目と同じように愛している。日々の成長がうれしい」と慈しむ。

 日本では卵子提供を規制する法律はない。
ただ、多くの医療機関は慎重で、ほとんどの人が海外で卵子提供を受け、日本に
戻り出産している。
正確な統計はないが、仲介業者のIFC(米カリフォルニア州)の川田ゆかり社
長は「毎年およそ100人が当社を通じて米国で卵子提供を受けている。その8割が
40代の女性」と説明する。
最近は裾野が広がり、台湾などに渡る人も増えているようだ。

 今の40~50代は1986年の男女雇用機会均等法の施行前後に社会に出た。
「仕事との両立が難しく、最近まで結婚や出産の機会に恵まれなかった人が多い」
と川田社長は話す。
49歳で出産した女性は「子育てしながら男性と仕事で競うのは不可能だった」と
振り返る。
首都圏で高齢出産をサポートする産婦人科医は「家の血筋を絶やさぬように、と
言われ嫌々、妊娠する女性も多い」とも明かす。

卵子提供
※記事中の資料を転載させて頂きました。

謝礼金目的も

 子どもを望む女性たちが切実な思いを抱える一方で、卵子を提供する若い女性た
ちは経済的な事情が背中を押す。

 「ハワイで卵子提供。謝礼金あり」。
20代後半でフリーランスの仕事をしている女性は3年前、SNSで流れてきた
ある広告に引きつけられた。気軽に登録し、しばらくすると「希望者がいる」と
業者から連絡が入った。
ハワイに飛び、観光を楽しんだ後、病院で採卵。全身麻酔でぼんやりするなか、
ホテルの前で業者から6千ドルを現金で受け取った。

 女性はその後も年に1回、卵子を提供している。
「『優良物件』と言われて何度も依頼がある。バイトとして得かは微妙だけど、ハ
ワイにはまった。自分では来られない」と話す。
その一方で、同時期に卵子提供に来た20代の女性が「お金があったらこんなこと
しなかった、と話していたのは忘れられない」という。

 「謝礼金目的の人がいるのは事実」。
卵子提供を仲介するある業者はこう明かす。
その上で「拘束期間や身体的な負担を考えると決して金銭的なメリットは大きく
ない」と説明する。
にもかかわらず、最近は日本在住の女性からの提供が増えているという。

 海外で進む現実には問題もある。
一つは卵子提供を受ける際の金銭的な負担だ。
米国で提供を受けると500万円以上かかることが多い。
身体的にも、海外で卵子提供を受けると双子など多胎妊娠をする確率が高く、
高齢出産と二重のリスクを抱えやすい
謝礼金にも賛否があるが仲介業者任せになっている。

 生殖医療に詳しい埼玉医科大学の石原理教授は「世界は卵子提供を認める流れに
あり、欧州諸国では卵子提供者の検査方法や謝礼金の上限について、国が法律や
ガイドラインをつくって管理している。安全性や負担感を考えると日本でも国内で
安心して卵子提供を受けられる環境づくりが必要ではないか」と話す。

子の権利置き去り

 特に、生まれてくる子どもの権利は見過ごされている。
早稲田大学の棚村政行教授(家族法)は「先進国では子どもが自分のルーツを知
る権利が尊重され、卵子提供で生まれた子が遺伝上の親を知ることができるように
法整備が進んでいる」と話す。
仲介業者は「日本人で子どもに卵子提供の事実を話す親は半分くらい。どう告知
したらいいか苦しむ親が多い」と明かす。

 卵子提供を巡っては、出産した女性を「母」と定める民法特例法案を2016年に
自民党の部会が了承したが、法案は国会に提出されていない
つまり日本では卵子提供で生まれた子の母が誰かという法律上の親子関係すら
「不安定なまま」(棚村教授)だ。
子どもへの情報開示については検討課題にとどまる。

 日本は年間4万人以上の子が体外受精で生まれる世界有数の不妊治療大国だ。
その底流には女性が働きながら子を持ちにくい社会構造があり、行き着く先の
一つが卵子提供である。
慶応義塾大学の吉村泰典・名誉教授は「法整備を怠ってきた為政者の責任は重
い」という。
現実から目をそらし続けてきたツケは、自分のルーツを容易に知ることができ
ない子どもたちが背負わされている。

卵子提供2
※卵子提供の20代女性。肌の色や髪質、学歴、出身地などを業者登録
記事中の画像を転載させて頂きました。

(執筆・福山絵里子記者)

-----------------------------------

初め「高齢出産」の話かと思っていたのですが、「超」が頭に付く「高齢」。
あらら、と・・・。

でもよく読むと、結構、重いです。
ある意味、そこまでしてでも・・・。
ご自身の卵子ではないんですが・・・。

親子の関係においての年齢格差。
私たちもよく、自分の年齢、子どもの年齢、その子ども=孫の年齢とその差、
お互い、いくつの時には、何歳で、どういうような状況になっていて・・・。
そんなことを考えるのですが・・・。

超高齢出産の場合のシミュレーション。
どう考える、考えたのでしょう・・・。

そして、当然ながら、遺伝子や優生学上の問題・・・。
思わぬこと、不幸が起きる確率は、ゼロではない・・・。

私は、こちらの重要性を考えます。
人間の尊厳を維持するために守るべき理性・・・。

買い、利用する他者の卵子。
夫はどう考えるのでしょう。

結婚とは、夫婦とは・・・、そして家族とは・・・。
加えて、
愛情とは、愛とは、人間とは・・・。

7

 

関連記事一覧