正規雇用女性や特定業界・職種の女性の生涯未婚率が高い。それが?

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』(荒川和久氏著・2017/1/17刊)
を参考にしながら、結婚・非婚の生き方を考えるシリーズです。

今回は、「第2章 ソロで生きる人々を許さない社会」の第3項を受けて。

内容の一部を捉えて考えるところを述べることは本意ではありませんので、ご関心を
お持ち頂けましたら、ぜひ本書を入手頂き、ご自分流にお読み頂きたいと思います。

-----------------------
 バリバリ働く女性ほど未婚率が高い
-----------------------

 「女性が輝く社会」は、確かに女性の働く環境づくりには大いに効果を発揮するか
もしれない。が、これが未婚化や少子化の解消になるかと問われれば甚だ疑問であり、
むしろ、これによってさらに女性の未婚率が加速するのではないか。
そこでは、女性の結婚動機として「経済的理由が大部分を占める」ことは疑いよう
がなく、女性自身が単独で経済的に自立するようになればなるほど、女性は結婚する
必要性を感じなくなる。
 そこに介在するのは、愛とか好きというエモーショナルな要因の問題ではない。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

簡潔にまとめると、この項は、こんな内容です。

m030741 

------------------------------

女性自身が単独で経済的に自立するようになればなるほど、女性は結婚する必要
性を感じなくなる」

結婚の目的が何か?
必要か不要かという議論で結婚を論じると、個人が生きる上での必須の人の営みで
はない。
これは明らかなことです。
とりわけ、生きるため、生活するための経済的要素を考えれば、結婚を論じる視点
は実はもともと必要ないのです。
逆に、経済的な要因から結婚を手段として考えることの方が、実は非論理的。

そこに正規社員・非正規社員や、職業・職種の要素を絡めて結婚の必要性や、可能
性を論じることも、後理屈の世界のことなのです、本来は。

女性の結婚動機として「経済的理由が大部分を占める」ことは疑いようのない事
実」と断定する筆者のスタンスそのものが、社会常識化された結婚論に流れを任せて
しまった、言うならば古風な、固定観念での議論に追いやるもの。
このようなスタンスを持つ人とは、結婚がどうこう、という議論は無意味なんだよ
なあ、してもしょうがないんだよなあ・・・、そう思ってしまいます。

まあ実際に、女性がそうした価値観で結婚を考えるようになっていることそのもの
が非婚化・未婚化の要因になっていることは間違いないのですが・・・。

 「バリバリ働く女性ほど未婚率が高い」。
それが? それで? 
 それで本人がよけりゃ、それでいいんじゃないの?
そこまでの感覚なのですが・・・。

a0002_007235

 

--------------------------

【『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』構成】

はじめに
第1章 増えるソロで生きる人たち 
第2章 ソロで生きる人々を許さない社会
第3章 男たちは嫌婚になったのか
第4章 結婚してもソロに戻る人たち
第5章 ソロたちの消費
第6章 ソロ社会の未来
おわりに 

----------------------------
【荒川和久氏プロフィール】
◆博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクト・リーダー。
早稲田大学法学部卒業、博報堂入社後、自動車・飲料・ビール・食品・化粧品
・映画・流通・通販・住宅等幅広い業種の企業プロモーション業務を担当。
キャラクター開発やアンテナショップ、レストラン運営もてがける。
◆独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等、
メディアの多数出演。
◆著書:『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル



--------------------------------

2月からシリーズを始めた『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界
筒井淳也氏著・2016/6/20刊)を参考にした「結婚と家族のこれから」
シリーズと並行して進めています。

「第4章 「男女平等家族」がもたらすもの」
第1回:成人親子未分離社会で、未婚化・非婚化はどこへ向かうか
第2回:ミレニアル世代、ブーメラン・キッズ。欧米と共通するパラサイト世代
第3回:「結婚、出産が当たり前でない」という理由付けが得意な人間の理性・知性
第4回:共働き先にありきではない、同棲・結婚・家族形成という人生の選択肢
第5回:出生率が高くなる共働き社会に落とし穴?
第6回:トランプ政権で厳しくなる不法移民のベビーシッターやナ+ニー活用の行方
第7回:ナニー、ベビーシッター活用に見る文化の資質性と問題点
第8回:共働き夫婦に必要な家事・育児等家庭作業の分担決め
第9回:仕事か結婚か、仕事か家事か。作業と憩いが混然とする共働き社会
第10回:セイフティ・ネットとしての結婚・家族以前に、親密性の優位性は無理?
第11回:世帯間・世代間所得格差の要素・状況を知っておく
第12回:結婚が所得格差を生み出す高い可能性。が、それを覆す可能性を持つ結婚も
第13回:多様な人種・民族・宗教・文化・価値観の組み合わせとしての同類婚・異類婚

関連記事一覧